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SPAとは何か?SPA誕生の理由とチェーンストアにおける位置づけ

SPAに関しては、アパレル業界の中では周知の用語となっていますが、改めてSPAとは何か?チェーンストアの歴史の中で、最新形がSPAであるという意味をご説明したいと思います。すべては、消費者起点の思想にあります。

SPAとは何か?

Gap

SPAとはGAPのドナルド・フィッシャー会長が1986年に発表した Speciality store retailer of Private label Apparelの頭文字を組み合わせた造語の略語です。製造から小売までを統合した最も垂直統合度の高いアパレル業態のことを意味します。

日本では、ユニクロがSPAを導入して大きな成功を収めたことがよく知られています。これにより、一躍、SPAがアパレル業界の主役に躍り出たといってもよいでしょう。

本来は、アパレルショップが主体となって垂直統合を果たしたものなのですが、現在では、ブランドメーカーがOEM調達して、自社直営のショップで販売するもの、メーカーやファクトリーが自ら開発して生産した商品を直販するものなど、幅広い形態のものを含んだ意味で使われることが多くなっていますので、注意が必要です。

いずれにしても、現在のファッション業界においては、 SPAはアパレルショップ経営の主流と考えられています。

SPA誕生の理由とチェーンストアにおける位置づけ

ビジネスイメージ

SPAはどのような起源から誕生したのでしょうか?SPAはチェーンストアの王道と考えられますが、その意味はどういうことなのでしょうか?

アメリカのQR運動

SPAが誕生する起源となるのは、アメリカで起こったQR運動です。 これは、その当時に急増していた衣料品の輸入に対抗するために、国産品愛用運動の団体がコンサルタント会社に依頼して、1985年に作成された報告書に記載された内容が発端となって起こった運動です。

その内容は、商品の製造、物流、発注、配達方法、情報管理、仕入、 販売などをトータル的に改善すれば、それまで66週間もかかっていた 製造販売プロセスが、理論的には21週までに圧縮できるというものでした。ジーンズや肌着などが先駆者として取り組みました。

ECRからSCMへ

QR運動は、瞬く間に、他の産業へと広がっていきました。例えば、 1989年には、ウォルマートとGEとの間で電球が取り上げられ、洗剤や紙おむつなどの日用雑貨へと広がっていきました。そして、それを傍観していたスーパーマーケットなどの食品・雑貨を取り扱うグロー サリー業界が、ECRという名称で、業界をあげて本格的な取り組みを見せるようになりました。

その後は、業界別の名称を総称して高度化することにより、サプライチェーンマネジメント(SCM)とか、デマンドチ ェーンマネジメント(DCM)という概念に帰結してきました。その原点にある考え方は、プロダクト・アウトからマーケット・インへの転換という発想です。

チェーンストアの使命

QR、ECR、SCMなど、歴史や業界によって色々な言葉が使われていますが、これらは情報システムすなわちITの発展によって、手法が高度化しただけで、基本的な考え方はチェーンストア理論そのものということができます。最近では、DXという言葉が流行になっています。

要するに、消費者に最も近いリテーラーが、原料から店頭に並ぶ商品までの垂直統合を図り、ムダなコストをすべて削減して低価格で良質な商品を消費者に提供するという考え方です。その意味で、SPAはその最新システムであり、チェーンストアの王道であると言えます。

これこそがチェーンストアの使命です。アパレルショップ以外でも、SPAと同様の経営手法に取り組んでいるニトリや無印などが繁栄していることが、この考え方が正しいことを証明しています。マクドナル ドなどのファストフードも、小売業とは形は違うけれども、この経営手法の先駆者と言うことができます。

魂は細部に宿る

魂は細部に宿るという言葉があります。それは、見かけはすぐにまね することができるが、本当に重要なことは細部の1つ1つの精度を高 めることであるという意味です。今のファッション業界では、SPAが主流であることは誰でも語りますが、実際に成功するためには、細部の1つ1つの技術の精度を高めることです。これには大変な努力と忍耐を要します。そして、自らすべてのリスクを取る覚悟が必要です。

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