アパレルショップでマスリテーラーを志向するには、大きく2つの方向性があります。1つは、トレンドを追求して商品回転率を速めて売り上げを増大化する経営です。そして、もう1つはベーシック商品を長期にわたって大量販売する経営です。
マスリテーラー経営戦略とは?
アパレルショップにおけるマスリテーラーには、2つの方向性があります。1つはトレンド性の高い商品を矢継ぎ早に投入して、どんどん在庫回転させながら、マスリテールすなわち大量販売を実現する形態のショップです。いわゆるファストファッションがこれに相当します。
そして、もう1つは、マスすなわち大多数の大衆が購買する実用性の高い商品や、ベーシックな基本アイテムを中心に取り扱う形態のショップのことです。この場合、競合店との差別化は、品質の高さすなわちコストパフォーマンスの高さになります。
どちらを志向するショップも、できる限り標準化された店舗を効率よく大量出店して販管費を下げ、低価格で販売しても高粗利を獲得できる経営体制を築くことが重要です。今までに成功したマスリテーラーに共通する経営戦略のエッセンスをごくシンプルにまと めてみます。
マスリテーラー経営戦略のエッセンスを解説
マスリテーラー経営戦略のエッセンスを解説します。
マスマーケットを対象に規模拡大を目指す
大きな成功を収めているマスリテーラーに共通する経営戦略は、大多数の消費者が必要とする商品マーケットにターゲットを絞って、リー ズナブルな価格設定で販売していることです。具体的に言えば、カジ ュアルウエアやスポーツウエアなどを中心に品揃えしています。また、 規模拡大を効率的に進めるために、店舗の標準化を図り、大型物流センターを設置して、作業効率を高めることにより、販管費の削減を 実現しています。
マスファッションの先端を先取り販売する
マスリテーラーで成功を収めるためには、最先端のハイファッションやトレンドを追い過ぎないことです。したがってごく一部の人だけに受け入れられる極端なトレンドファッションは、思い切って捨ててしまうことです。情報収集と分析により、あくまでも大マスファッションに育つ可能性のある商品のみを見極めて、先取り販売することです。企業規模があれば、自ら大マスファッションを仕掛けて創り出すことも可能です。
プライスゾーンに徹底的にこだわる
百貨店などの通常価格の商品の中で、売れ残った商品は値下げ販売されます。つまり値下げ販売される商品は、顧客の求めるファッションと少しずれていることが多いのです。したがって、最初からこのように値下げされた価格より低い価格で、ファッショナブルな商品を販売す れば、消費者に支持されることは当然です。大マスファッションを狙うためには、プライスゾーンに徹底的にこだわることが必要です。
低価格で安定供給できる体制を創る
SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)すなわち、 製造から小売までを統合した販売形態を取っている企業が繁栄してい ますが、これは低価格で良質なマスファッション商品を安定供給しよ うとすると、必然的に到達する販売形態です。マスリテーラーは規模のメリットが大きいので、今後さらにグローバル化を推進しようとすれば、SPAによる安定供給の重要性が増すと思われます。
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