ビジネスにおいて重要なことは、参入しようとする業界の全体像を正確に把握することです。そして、その業界がどのような機能分担をしており、その中で自社はどの部分の機能を中心に展開するのかを明確に決めることです。アパレル業界の構造を学びましょう。
アパレル業界の構造を学ぶ
ファッション産業は幅広い分野を抱えており、原料、糸、テキスタイルなどを取り扱う川上から、ブランドメーカーと呼ばれて川中に位置する卸売業、消費者に販売するアパレルショップなどの川下までがあります。
過去のアパレル産業の中核は、ブランドメーカーだったのですが、SPAの登場で、アパレル業界の縦割りの境がなくなりました。つまり、本来のチェーンストアビジネスが実現されてきたのです。現在の主流はSPAになっています。
アパレルショップを志す者は、川下のマネジメントに精通するだけでなく、川上から川下までのアパレルビジネスの構造に関する一通りの知識を持っておくことが大切です。そして、その機能のどこまでを自社に取り込むのか?あるいは、どこと協業するのか?など、綿密な戦略を立てる必要があります。
川上から川下までの流れを理解する
アパレルビジネスの構造を学ぶためには、川上から川下までの大まかな流れを理解する必要があります。
テキスタイル
テキスタイル(textile)とは、直訳すると「織物」とか「布地」という意味で す。すなわち、ファッション産業で、テキスタイルとは、織物や布地を 制作する分野のことを意味します。そして、織物や布地をデザインす る人のことをテキスタイルデザイナーと言います。ファッション産業で は、このように、原料を糸にしてテキスタイルを扱う分野を川上と呼ん でいます。
ブランドメーカー
ブランドメーカー(brand maker)とは、独自ブランドを持つ卸売業であ り、マーケティングやマーチャンダイジングを行い、自ら企画した商品 の生産をアウトソーシングするというビジネスを展開しています。従来 は、ブランドメーカーがアパレル産業の主流を占めていました。
これにより、業界では今でも狭義のアパレルという用語はブランドメーカー のことだけを指すものとして使われています。それゆえ、ブランドメー カーは、アパレルメーカーとも呼ばれます。卸売業には、ブランドメー カー以外にも、集散機能を中心とした問屋型卸売会社もありますが、 これは主に肌着や靴下などの実用品を取り扱っています。
アパレルショップ
アパレルショップ(apparel shop)とは、アパレルを消費者に販売する店のことであり、かつてはアパレル販売のおおよそ3分の1を百貨店や量販店が占めており、3分の2を専門店が占めていたと推計されます。
現在は、百貨店や量販店は衰退しており、専門店の比重が高まっています。アクティブ・コンサルティングは、専門店であるアパレルショップに対する経営コンサルティングを中心に活動しております。
SPA
SPAとはGAPのドナルド・フィッシャー会長が1986年に発表した Speciality store retailer of Private label Apparelの頭文字を組み合わせた造語の略語です。製造から小売までを統合した最も垂直統合度の高い販売業態のことを意味します。GAPをはじめとして、日本のユニクロなど、SPA形態のアパレルショップは、現在のアパレル業界の主役となっています。
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